〒275-0016 千葉県習志野市津田沼1-10-41津田沼十番街ビル702号室

受付時間

9:30~17:00
定休日:土曜・日曜
(予約相談は対応可)

お気軽にお問合せ・ご相談ください

047-411-8184

007-01 みなし贈与 低額譲受ほか

目次

Ⅰ.概要
Ⅱ.低額譲渡など
Ⅲ.補足
Ⅳ.根拠税法、参考文献のリンク

Ⅰ.概要

・贈与により財産を取得した場合には、贈与税が課せられます(相続税法1条の4)。ここでいう贈与とは、「ある財産を無償で相手方に与える」ことを言います(民法549条)。

・ところが民法上の贈与でない場合、例えば僅少な対価で財産を与えている場合など、実質的に相手に利益を与えている場合にも贈与税を課すべく、下記の定めがあります。

 

Ⅱ.低額譲渡など

(相法7条)
(相法8条)
(相法9条)

  
・下記の場合には、利益を受けた者が、その利益の額の贈与(注1)を受けたものとみなします。

条文 場合 利益の額
7条 著しく低額の対価で財産の譲渡を受けた場合 財産の時価−対価
8条 無対価で、又は著しく低額の対価で債務の免除を受けた場合 債務の金額−対価
無対価で、又は著しく低額の対価で債務の引受けを受けた場合
(つまり、誰かが債務を肩代わりしてくれた場合)
無対価で、又は著しく低額の対価で債務の弁済を受けた場合
(つまり、誰かが債務を返済してくれた場合)
9条 上記のほか、無対価で、又は著しく低額の対価で利益を受けた場合
(例えば、所有する財産の価値が上がった場合)

受けた利益の価額

・ただし、それぞれ「利益を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、その者の扶養義務者によりなされたものであるとき」は、「債務を弁済することが困難である部分の金額」に関しては贈与税は課されません。債務免除に関しては「扶養義務者により」という条件も外れます。

(注1)遺言のよってなされた場合は遺贈

Ⅲ.補足 

・以下は国税庁の通達やタックスアンサーからの補足です。詳しくは最下部のリンク先をご参照ください

(著しく低い価額の一括判定)

法第7条に規定する「著しく低い価額」であるかどうかは、譲渡があった財産が2以上ある場合には、譲渡があった個々の財産ごとに判定するのではなく、財産の譲渡があった時ごとに譲渡があった財産を一括して判定する。

(公開の市場等)
公開された市場において財産を取得したような場合においては、課税上弊害があると認められる場合を除き、法第7条の規定を適用しないことに取り扱うものとする。
(債務の範囲)
法第7条に規定する「債務」には、公租公課を含む
(「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」の意義)
法第7条に規定する「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」とは、その者の債務の金額が積極財産の価額を超えるときのように社会通念上債務の支払が不能(破産手続開始の原因となる程度に至らないものを含む。)と認められる場合をいう。
(事業所得の総収入金額に算入される債務免除益)
所得税法上の事業所得の総収入金額に算入される割引又は割戻しによる利益については、法第8条の規定は適用しない。
(連帯債務者及び保証人の求償権の放棄)
次に掲げる場合には、法第8条の規定による贈与があったものとみなされる。
(1) 連帯債務者が自己の負担に属する債務の部分を超えて弁済した場合において、その超える部分の金額
について他の債務者に対し求償権を放棄したとき
(2) 保証債務者が主たる債務者の弁済すべき債務を弁済した場合において、その求償権を放棄したとき
 (「利益を受けた」の意義)
法第9条に規定する「利益を受けた」とは、おおむね利益を受けた者の財産の増加又は債務の減少があった場合等をいい、労務の提供等を受けたような場合は、これに含まないものとする。
 (株式又は出資の価額が増加した場合)
同族会社の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したときにおいては、増加した金額を、贈与によって取得したものとして取り扱う。
(1) 会社に対し無償で財産の提供があった場合
(2) 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合
(3) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合
(4) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合
 (会社が資力を喪失した場合における私財提供等)
同族会社の取締役、業務を執行する社員その他の者が、その会社が資力を喪失した場合において上記に掲げる行為がなされたときは、贈与によって取得したものとして取り扱わないものとする。
 なお、会社が資力を喪失した場合とは、法令に基づく会社更生、再生計画認可の決定、会社の整理等の法定手続による整理のほか、株主総会の決議、債権者集会の協議等により再建整備のために負債整理に入ったような場合をいう。単に一時的に債務超過となっている場合は、該当しない。
(婚姻の取消し又は離婚により財産の取得があった場合)
婚姻の取消し又は離婚による財産の分与によって取得した財産については、贈与により取得した財産とはならない。ただし、その分与に係る財産の額が過当である場合における当該過当である部分又は離婚を手段として贈与税若しくは相続税のほ脱を図ると認められる場合における当該離婚により取得した財産の価額は贈与によって取得した財産となる。
(財産の名義変更があった場合)
不動産、株式等の名義の変更があった場合において対価の授受が行われていないとき又は他の者の名義で新たに不動産、株式等を取得した場合においては、これらの行為は、原則として贈与として取り扱う
(無利子の金銭貸与等)
夫と妻、親と子、祖父母と孫等特殊の関係がある者相互間で、無利子の金銭の貸与等があった場合には、それが事実上贈与であるのにかかわらず貸与の形式をとったものであるかどうかについて念査を要するのであるが、これらの特殊関係のある者間において、無償又は無利子で土地、家屋、金銭等の貸与があった場合には、法第9条に規定する利益を受けた場合に該当するものとして取り扱うものとする。ただし、その利益を受ける金額が少額である場合又は課税上弊害がないと認められる場合には、強いてこの取扱いをしなくても妨げないものとする
(負担付贈与等)
負担付贈与又は負担付遺贈があった場合において当該負担額が第三者の利益に帰すときは、当該第三者が、当該負担額に相当する金額を、贈与又は遺贈によって取得したこととなる。この場合において、当該負担が停止条件付のものであるときは、当該条件が成就した時に当該負担額相当額を贈与又は遺贈によって取得したことになる。
(共有持分の放棄) 
共有に属する財産の共有者の1人が、その持分を放棄(相続の放棄を除く。)したとき、又は死亡した場合においてその者の相続人がないときは、その者に係る持分は、他の共有者がその持分に応じ贈与又は遺贈により取得したものとする。
(配偶者居住権が合意等により消滅した場合) 
配偶者居住権が、配偶者居住権を取得した配偶者と建物所有者との間の合意若しくは当該配偶者による配偶者居住権の放棄により消滅した場合又は民法第1032条第4項((建物所有者による消滅の意思表示))の規定により消滅した場合において、当該「建物等所有者」が、対価を支払わなかったとき、又は著しく低い価額の対価を支払ったときは、原則として、当該建物等所有者が、その消滅直前に、当該配偶者が有していた当該配偶者居住権の価額に相当する利益又は当該土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利の価額に相当する利益に相当する金額(対価の支払があった場合には、その価額を控除した金額)を、当該配偶者から贈与によって取得したものとする。(注) 民法第1036条((使用貸借及び賃貸借の規定の準用))において準用する同法第597条第1項及び第3項((期間満了及び借主の死亡による使用貸借の終了))並びに第616条の2((賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了))の規定により配偶者居住権が消滅した場合には、上記の取り扱いはないことに留意する。

Ⅳ.根拠税法、参考文献のリンク

相続税法

施行令

施行規則

7条
(低額譲受け)

 

 
8条    
(債務免除等)    
9条
(利益の享受)
 

 

・e-Gov相続法  
第七条(贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合
第八条
第九条

・e-Gov相続税法施行令
該当なし

・e-Gov相続税法施行規則
該当なし

国税庁/相続税法基本通達 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/01.htm 
第7条《贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合》関係
7-1 著しく低い価額の判定
7-2 公開の市場等で著しく低い価額で財産を取得した場合
7-3 債務の範囲
7-4 「資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合」の意義
7-5 弁済することが困難である部分の金額の取扱い

第8条《免除等を受けた債務》関係
8-1 債務の免除
8-2 事業所得の総収入金額に算入される債務免除益
8-3 連帯債務者及び保証人の求償権の放棄
8-4 法第7条の規定に関する取扱いの準用
​第9条《その他の利益の享受》関係
9-1 「利益を受けた」の意義
9-2 株式又は出資の価額が増加した場合
9-3 会社が資力を喪失した場合における私財提供等
9-4 同族会社の募集株式引受権
9-5 贈与により取得したものとする募集株式引受権数の計算
9-6 合同会社等の増資
9-7 同族会社の新株の発行に伴う失権株に係る新株の発行が行われなかった場合
9-8 婚姻の取消し又は離婚により財産の取得があった場合
9-9 財産の名義変更があった場合
9-10 無利子の金銭貸与等
9-11 負担付贈与等
9-12 共有持分の放棄
9-13 信託が合意等により終了した場合
9-13の2 配偶者居住権が合意等により消滅した場合
9-14 法第7条の規定に関する取扱いの準用

・国税庁/文書回答事例/相続税
該当なし

・国税庁/質疑応答事例/相続税・贈与税
該当なし

・国税庁/タックスアンサー/相続・贈与
該当なし 

・国税不服審判所/相続税法関係
贈与財産の範囲
A.資産の低額譲受け(5件)
B.その他(5件
課税財産
A.みなす贈与財産(4件)
B.負担の控除(2件) 

 
 
(作成 2023年)

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

047-411-8184

<受付時間>
9:30~17:00
<定休日>
土曜・曜(予約相談は対応可)

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

新着情報・お知らせ

2023/8/1
ホームページを公開しました

平澤智彦・規雄税理士事務所

住所

〒275-0016 千葉県習志野市津田沼1-10-41津田沼十番街ビル702号室

アクセス

JR津田沼駅徒歩3分 新京成新津田沼駅徒歩2分
駐車場:近くのイオンまたはヨーカドー駐車場をご利用ください

受付時間

9:30~17:00

定休日

土曜・曜(予約相談は対応可)